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賢治とSL



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『清明どきの駅長  先駆型』より抜粋

(汽車は触媒の白金を噴いて線路に沿った黄色な草地のリボンを燃やし
ことしの禾草に加里と燐とをやりながらなかを走ってくるのです)


宮沢賢治の詩にこんな面白い一節があった
(禾草に加里と燐をやりながら)→効率よく燃えた石炭の排気からは、酸化したケイ素やカルシウムが出てくる
                といいます。これを知っていた賢治はSLが肥料を撒きながらやって来ると
                表現したのでしょう。 或いは人の出す有機的な・・・?^^
(汽車は触媒の白金を噴いて)→SLは石炭へ撒水することによって燃焼効率を高めるらしい。高温になった火室内
               においては水蒸気は燃焼を促す触媒作用をするというのです。

昔SLが主力だった頃は、排気塔から出てくる煙の色で機関士の技量が分かったらしい
黒い煙は効率の悪い燃やし方で、煙が白いほど効率的に石炭を燃やしている証だったようです
(登坂路線は出力を出すためどんどん燃やしたのでまた別の理由です)
現在の観光運行においては、あの黒煙はカメラマンへの粋なサービスかもしれません...多分!
機関士が未熟なのではありませんので誤解されないように(笑)

この触媒作用は現在のガソリン車でも採用されています
皆さんの車のマフラーにもちゃんとくっついていますよー 興味のある方は覗いて見てください。

こんなことだから、賢治作品は難解でしょうがないです。


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by warutorawa | 2016-05-26 00:30 | 宮沢賢治の世界 | Comments(0)